第3章 「整形」の別の意味

(1)美容医学という考え方

美容医学という言葉そのものは耳慣れないかもしれない。 しかし、その内容は我々にとって、特に女性にとっては、大変身近である。 美容医学とはつまり、美容目的の様々な行為が健康にもつながるということであり、 予防医学や保健医学の分野に入ると言える。 この言葉と考え方は、第2次世界大戦後に広まった。
わかりやすい例でいうと、ダイエットだ。 最近では、やせ気味であってもダイエットを試みる人もおり、もちろんそれは健康上良くない。 安全かどうかわからないダイエット食品や薬品は論外である。 しかし、肥満症の人にとって、ダイエットは単なる美容ではなく他の病気の予防にもなる。 食生活の調整や運動の継続は、前身の健康にとても有益な行為なのである。
また、近年美白が美容の王道となっており、1年中紫外線対策の化粧品が販売され、夏には日傘や帽子もよく使用されている。 これらの行為も健康につながる。紫外線の危険性は注目されている。 乳幼児の日光浴を勧める内容の記載が母子手帳からなくなったことも大変話題になった。
そして、「整形」も美容医学に入る、と考えられる。
自分の容姿について大変悩んでいた人が、手術によって劣等感を乗り越え、 これからの人生を明るく過ごすことができるのであれば、それは立派な医療であるという考え方もあるのだ。

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