世界の中心で、愛をさけぶ

映画「世界の中心で、愛をさけぶ」

感想　完全版
「原作とはかなり違う」…というのはいろんなとこから聞いていたけど、予想以上に違っていました。私は、原作は回想が主体だったのが、映画では現在と過去が織り交ざっている…という意味でみんなが「違う」と言っているのだと思っていたけど、過去の設定自体が大幅に変えられていました。どっちがいいとかいうことではなく。まず、原作ではサクのおじいさんがかなりの重要人物として登場していたけど、映画では写真館のおやじとして出ていて、特に血のつながりはないようで。その、おじいさんの初恋の人の遺骨を盗むというのは同じだけど、それをアキと一緒に盗みに行ってしまうし、結局その遺骨をふたりで見ているうちにキスする雰囲気になる、ってのもなかったし。ありゃ？結構重要シーンだったような… あと、いちばん違うのは、ふたりがカセットテープで交換日記のようなことをしているとこ。宣伝用の写真とかでやたらイヤホンやヘッドフォンしてる姿が使われてるなぁと思ったら、カセットがふたりをつなぐ、そして律子（柴崎コウ）をも絡ませる重要なモノだったのね。そうそう、単なる婚約者だと思っていた律子、実は過去のふたりにも大きく関わっていた。単に「過去をひきづる婚約者に戸惑う女」だと思っていたけど、意外な設定だったなぁ。やられた！最初のほうで律子の荷物からアキのテープが出てきて「なぜ律子が持っているの？」という疑問で頭がいっぱいになった… 足が悪いのも「意味もなく登場人物に障害を負わせるなよ」と最初は思ってたけど、事故ったのか。なるほど。そして肝心のラストは、原作ではアキの両親と一緒に行った「世界の中心」に、律子と行く、…のは自然な流れだなぁ。これしかないよなぁ…そういえばあれ、本当は修学旅行で行ったところっていう設定だったのに、拾ったカメラに映ってた場所…になってたなぁ。どっちでもいいけど。うーん…映画は映画ですごく良かったけど、原作の良さをもっと残してほしかったと思う点は、おじいさんのセリフ。このストーリーって、愛する人を亡くすことはなぜ悲しいのか？がテーマで、そこんとこをサクとおじいさんがいろいろ話すことによって消化していく…というのが最も大切な部分だったのに、おじいさんってば映画ではちょろっと助言しただけだし。私が好きなセリフ削られてやんの。「死んだのが自分だったら、自分の愛する人が悲しんだ。自分の愛する人が死んだのは、その人のかわりに自分が悲しみを背負うため。そう思うようにしたんだ。」みたいなことを言ってたでしょ、原作で。なんでないの！！それだけがショック。「後片付け」って…そんな… アキが無菌室に入って、その日サクは中に入らず泣きながら帰るシーン、良かった。祭りで賑やかな町と、サクの心境のコントラスト。あるある、そういうこと。自分がすごい落ち込んでいると、人ごみとか歩いてるときに自分だけ浮いている感覚になる。にしても長沢まさみ、足長い。「ロボコン」見たときは普通な感じに見えたけど、あんなにスラッとしてるとは。演技の上手・下手を私が語るのは身の程知らずだけど、でも今回この４人の中でいちばん演技が自然で上手かったのは森山くんだと思った。大沢たかおの演技はところどころ「…あれ？」って思う部分があって、それは私がシーンの意味とかをちゃんと理解できていないってのもあるんだろうけど。それと、地味にいろんな人が出てたな。マギーとかダンディ坂野とか。ダンディの英語の授業で、出欠とるときに英語で答えないといけない設定で、生徒がみんな「Yes」って言ってたけど、あれ間違ってるような。YesじゃなくてPresentとかなんとか言わないといけなかったような。…まぁいいか、ダンディの授業だし、そんなもんか。エンドロールで、協力企業のとこを懸命に見ました。病院のシーンが出てくる映画やドラマでは、私が以前勤めていたK工業の名前が出ることが多いのです。 K工業では病院の設備なんかを作っていて、病室のシーンがあると必ずその設備が映るので、無料で貸すと名前を出してくれるんだそうです。 …名前、ありました。 K工業にいるときはつまらんことだらけだったけど、こういうとこに名前が出るってことだけは誇らしいな。ちなみに「ブラックジャックによろしく」でも社名が出ると聞いて必死に探していたら、前の前に務めていたS社の名前もあった…S社では包帯とかを作っているのでね。今回はなかったけど。にしてもさー…今回は上映中に携帯が鳴ることはなかったけど、斜め前の女の子がちょくちょくメールチェックしてて、お金払って見に来ているんだからちゃんと見れば良いのに… 液晶の光もかなり気になるし、やめて欲しいな。視界に入らないようにタオルで目の横を隠したりしてみたけど、しまいにゃその女の子、友達としゃべり始めるし。集中しろ！！斜め後ろの子なんてすすり泣いてんのに！でもやっぱ行定監督は良いね！GOも良かったし。行定監督は山崎努好きだなぁ。 …以上、役に立たない感想でした。
2004/06/04

　　感想　完全版

「原作とはかなり違う」…というのはいろんなとこから聞いていたけど、予想以上に違っていました。私は、原作は回想が主体だったのが、映画では現在と過去が織り交ざっている…という意味でみんなが「違う」と言っているのだと思っていたけど、過去の設定自体が大幅に変えられていました。どっちがいいとかいうことではなく。

まず、原作ではサクのおじいさんがかなりの重要人物として登場していたけど、映画では写真館のおやじとして出ていて、特に血のつながりはないようで。その、おじいさんの初恋の人の遺骨を盗むというのは同じだけど、それをアキと一緒に盗みに行ってしまうし、結局その遺骨をふたりで見ているうちにキスする雰囲気になる、ってのもなかったし。ありゃ？結構重要シーンだったような…

あと、いちばん違うのは、ふたりがカセットテープで交換日記のようなことをしているとこ。宣伝用の写真とかでやたらイヤホンやヘッドフォンしてる姿が使われてるなぁと思ったら、カセットがふたりをつなぐ、そして律子（柴崎コウ）をも絡ませる重要なモノだったのね。

そうそう、単なる婚約者だと思っていた律子、実は過去のふたりにも大きく関わっていた。単に「過去をひきづる婚約者に戸惑う女」だと思っていたけど、意外な設定だったなぁ。やられた！最初のほうで律子の荷物からアキのテープが出てきて「なぜ律子が持っているの？」という疑問で頭がいっぱいになった… 足が悪いのも「意味もなく登場人物に障害を負わせるなよ」と最初は思ってたけど、事故ったのか。なるほど。

そして肝心のラストは、原作ではアキの両親と一緒に行った「世界の中心」に、律子と行く、…のは自然な流れだなぁ。これしかないよなぁ…そういえばあれ、本当は修学旅行で行ったところっていう設定だったのに、拾ったカメラに映ってた場所…になってたなぁ。どっちでもいいけど。

うーん…映画は映画ですごく良かったけど、原作の良さをもっと残してほしかったと思う点は、おじいさんのセリフ。このストーリーって、愛する人を亡くすことはなぜ悲しいのか？がテーマで、そこんとこをサクとおじいさんがいろいろ話すことによって消化していく…というのが最も大切な部分だったのに、おじいさんってば映画ではちょろっと助言しただけだし。私が好きなセリフ削られてやんの。「死んだのが自分だったら、自分の愛する人が悲しんだ。自分の愛する人が死んだのは、その人のかわりに自分が悲しみを背負うため。そう思うようにしたんだ。」みたいなことを言ってたでしょ、原作で。なんでないの！！それだけがショック。「後片付け」って…そんな…

アキが無菌室に入って、その日サクは中に入らず泣きながら帰るシーン、良かった。祭りで賑やかな町と、サクの心境のコントラスト。あるある、そういうこと。自分がすごい落ち込んでいると、人ごみとか歩いてるときに自分だけ浮いている感覚になる。

にしても長沢まさみ、足長い。「ロボコン」見たときは普通な感じに見えたけど、あんなにスラッとしてるとは。演技の上手・下手を私が語るのは身の程知らずだけど、でも今回この４人の中でいちばん演技が自然で上手かったのは森山くんだと思った。大沢たかおの演技はところどころ「…あれ？」って思う部分があって、それは私がシーンの意味とかをちゃんと理解できていないってのもあるんだろうけど。

それと、地味にいろんな人が出てたな。マギーとかダンディ坂野とか。ダンディの英語の授業で、出欠とるときに英語で答えないといけない設定で、生徒がみんな「Yes」って言ってたけど、あれ間違ってるような。YesじゃなくてPresentとかなんとか言わないといけなかったような。…まぁいいか、ダンディの授業だし、そんなもんか。

エンドロールで、協力企業のとこを懸命に見ました。病院のシーンが出てくる映画やドラマでは、私が以前勤めていたK工業の名前が出ることが多いのです。 K工業では病院の設備なんかを作っていて、病室のシーンがあると必ずその設備が映るので、無料で貸すと名前を出してくれるんだそうです。 …名前、ありました。 K工業にいるときはつまらんことだらけだったけど、こういうとこに名前が出るってことだけは誇らしいな。ちなみに「ブラックジャックによろしく」でも社名が出ると聞いて必死に探していたら、前の前に務めていたS社の名前もあった…S社では包帯とかを作っているのでね。今回はなかったけど。

にしてもさー…今回は上映中に携帯が鳴ることはなかったけど、斜め前の女の子がちょくちょくメールチェックしてて、お金払って見に来ているんだからちゃんと見れば良いのに… 液晶の光もかなり気になるし、やめて欲しいな。視界に入らないようにタオルで目の横を隠したりしてみたけど、しまいにゃその女の子、友達としゃべり始めるし。集中しろ！！斜め後ろの子なんてすすり泣いてんのに！

でもやっぱ行定監督は良いね！GOも良かったし。行定監督は山崎努好きだなぁ。

…以上、役に立たない感想でした。

2004/06/04